2015年8月_雑感諸々


雑感01:中村文則さんの「教団X」を読んで

珍しく小説を読んだ。2週連続だ。先週は「火花」今週は「教団X」。ミーハーだろうか。中村氏の著作はほぼ全部読んだと思う。「銃」があまりに面白くて次々に手をだしていった感じだが。

小学生の頃は、「死ぬのが怖い」と一人で布団で泣いたことがあるし、大学生頃から自分の人生の意義など考えた。

考えたところでわからなかったから、「どうせわかんないんだから、いっそ好きに生きよう」とうそぶいた。「教団X」は久々に、流れに身を任せるのも悪くないなと思わせてくれた。肩が軽くなる。

残念なのはAmazonのレビュー。小学校や中学校で文学の楽しみ方を教えてあげて欲しい

と思う。文学・純文学とは、「”あるある”を探す遊びである」のだ。話の筋なんか基本つまらない(中村氏の近年の作品はそういった意味では話の筋も結構面白いのだが。。)確かに性的な描写は多かったと思うが、そこに現れた説明のしようのない「あるある」はやっぱり面白かったと思う。誰もが陥るモラトリアムという状況に、明確で不明確な答えを提示しているこの小説はやっぱり凄い。

雑感02:私が琵琶湖を好きな理由

ずばり波がないからだ。大真面目に言っているがこれにはわけがある。

琵琶湖を見ると、いつも夏のバルト海を思い出す。フィンランドとエストニアを隔てるバルト海は内海で基本、波がほとんどない。フェリーが通る度に波を感じるくらいで、とても穏やかな遠海でもある。

エストニアでその海を見た夏に、僕はたくさんのことを学んだ。ITに関する知識、ハードウェアでなく、ソフトで解決するアイディア、そしてヨーロッパの友人達に学んだ人生をより楽しくする方法だ。

波のない湖面を見ると、いつもその当時を思い出す。そして、さんざんバカにされた言葉だが「This is life」と呟きたくなる。

雑感03:野心でなければ何と呼ぶのか?

経営者の先輩と食事をしていた。先輩は新規事業を模索していた。

模索といっても具体性があるわけでなく、「何か新たにやりたい。何をすべきか明確じゃない、でも当てたい」と言っていた。

話題がひとしきりしたところで、私が「先輩の野心は何を選択するんでしょうね?」と質問した。

先輩は「野心なんて俺はないよ」と言う。

他になんと呼べばよいのだろうか?「起業家精神」でいいだろうか?

野心以外の適切な言葉を探すが中々見つからずにいる。