今年買って読んでいないビジネス書の読書感想文2「最強脳」
今年買って読んでいないビジネス書が14冊もあるので、何でも良いので今年中に消化させる。
スマホ脳は読破済み。
目次
誰でもある程度はADHD(第5章)
誰にでも集中できない時ってありますよね?という問いかけから始まる当章。
ADHDは衝動的、多動的、集中力不足だと言うことだが、良い点もある。
空気を読まず、すぐやっちゃうので、スポーツ選手や発明家、経営者にも多い。
当然集団生活ではトラブルを起こすことも多いのだろうが、
こういう属性の人が進化の過程の中で残ったのは、
イノベーションを起こし集団の生存率を上げるためだということだ。
ドーパミンは脳内の側坐核というところで受け取るようだが、ADHDの人はこの受容が弱く、より強い刺激を求めたりする。
ドーパミンには、イライラや雑音を除去する効果もあるので、ADHDの人は集中しづらく、時としてイライラしてしまう。
ちなみに良いニュースとして、集中力は運動によって高まるようだ。
サバンナ脳を取り戻す(第3章)
100万年前から狩猟採集生活を行い、進化して来た結果、我々現代人の脳は、未だサバンナ脳である。
農耕を始め、産業革命を起こし、デジタル化した現代など、
長い歴史から見ると、ほんの一瞬に過ぎず、脳は現代に最適化などされていない。
脳の基本的な仕組みは、生き延びる為に良いことをすると、ドーパミンによってご褒美がもらえるというもの。
食料を手に入れると、ドーパミンが分泌されるわけなのだ。
人間はサバンナに最適化する為に、体を動かしている時に、集中力と記憶力が高まるようにできている。
現代人もその性質を利用して運動して、自分の身体や脳をハックすべきであることが記載。
集中力を上げる(=熱中からパワーが生まれる)第4章
熱中状態。忘我の状態、フロー状態、ゾーンに入った状態は、一つのことだけに集中して高いパフォーマンスを発揮する。
しかし現代人が仕事でもしていたら、物音やスマホの通知、様々な誘惑が集中を邪魔する。
サバンナでは狩りをしている時の集中力は高かった。
しかし同時に身を守る必要もあった為、危険な物音にも敏感であったのである。
脳はその時もっとも重要な一つのことを選び取るようにできている。
だからマルチタスクはできない。
運動をすること、スマホの通知を切ることは集中する為に極めて重要なことなのである。
スマホについて考えてみる(第9章)
前著スマホ脳の内容に近い。
ドーパミンは、ご褒美を貰えた時よりも「貰えるかも!」という期待をしている時にもっとも分泌が多くなる。
次から次に、気になる情報を提供してくれるスマホは、完全に我々のドーパミンシステムをハックしている。
ドーパミンシステムは子どもの頃から機能して10代の頃には完成する。
一方、我慢したり、ブレーキの機能を果たす前頭葉は25歳くらいまで完成しない。
アクセル全開だが、ブレーキが機能しない時期の子どもたちは余計スマホの餌食になるのである。
記憶力を良くする(第10章)
脳の仕組みを、「CPU、メモリ、HDD」と例えてきたが、最近では、HDDをクラウドと表現することが多い。
それは、記憶とは1個ずつ整理されたファイルが保存されているのではなく、大脳新皮質のあちこちに散らばった情報を再構築する行為だからだ。
短期記憶を格納する海馬で、得た情報の中で必要なものだけを、固定化する。
大抵は夜寝る時にそれは行われる。
人間の記憶容量は1ペタバイトもあるが、ほとんどのことは忘れてしまっている。
特に痛みに関する情報は忘れがちだ(母親が出産の痛みを忘れて再度子どもを作る例えが登場)。
とにもかくにも、運動が重要で、それは、脳への血流が増加する他、散らばった情報を繋げやすくする物質が出る為だという。
ゲームがうまくなる(第8章)
プロゲーマーのプレイ中の心拍数は160-180と、F1レーサー並みに強度が高く、
同じく高強度のコルチゾール(ストレスホルモン)が分泌されている。
コルチゾールへの対処は2章で解説されているが、要はプロゲーマですら、運動が有効であるという話だ。
この章のテーマとしては以上だが、他にもいくつかの知識が紹介されていた。
灰白質と白質
脳は、大脳新皮質を中心とした灰白質と、内側にある白質に分けられる。
灰白質は、様々な情報が散らばったクラウド保存庫であり、白質はそれらの情報を統合するネットワークの様な役割を果たす。
どちらも運動によって、パフォーマンスが向上することがわかっている。
テストの点数を110%上げる方法
中学1年生を対象とした実験で、立ってテストを受けることで、平均点が110%向上したという内容が紹介されていた。
イヤな自分とサヨナラする(第2章)
人はストレスを感じると、扁桃体からコルチゾールが分泌され、心拍が上がりドキドキする。
それは必ずしも悪い効果ばかりではない。
サバンナでも、動物から逃げるのか?戦うのか?という瞬間に分泌され、集中力を高めてくれる。
ストレスレベルが高すぎると、扁桃体はさらにコルチゾールを分泌し、集中状態からパニック状態に。
扁桃体の暴走にブレーキを掛けてくれるのが、海馬と前頭葉である。
海馬は過去の経験から「大丈夫」だと教えてくれ、
前頭葉は危機的状況を合理的に考える手助けをしてくれる。
運動は、血流増加によって前頭葉を、細胞数を増加させることで海馬の動きを良くするのだ。
そして何よりも、運動を行うと、運動前よりもコルチゾールの量が減少。
更に繰り返し運動を行うことによって、徐々にコルチゾールの量自体も減少する。
発想力豊かになる(第6章)
論点を与え複数の仮説を考えさせるテストのことを「代替法テスト」と呼び「発散的思考」と呼ばれる。
仮説の中から正しい答えを一つだけ見つける思考方を「収束的思考」と呼ぶ
この2つがあることで、発想力が豊かだと言える。
残念ながら収束的思考には影響がないが、発散的思考にはやはり運動が効く。
脳は全ての情報の中で一部の情報にだけ集中するように働く、
どの情報に集中するかを決めるのは視床が行っており、視床の機能は適度なドーパミンの量によって最適化される。
これには運動が良いということなのである。
まとめ
前著「スマホ脳」と同様にスマホによってドーパミン中毒になるな。運動しろ。という結論であることは変わりない。
それは我々のサバンナ脳をあるべき姿にするには運動するしかないのである。
- ドーパミンを過剰に分泌させず、集中する為に利用する
- コルチゾールのレベルを下げて(慣れて)ストレスを上手く活用する
- 脳に血流を与え、思考や判断能力を高める
これらが、運動を継続することで実現できるのである。