初の自社SaaSをリリースしてみて
本日新サービス「ikuseo」のリリースを行いました。
初の自社開発SaaSとなり、その中で気づいたことを備忘録的に記載します。
前提としてのカスタマーサクセス
mouseflowの事業を通じて、カスタマーサクセス業務について体験的に行ってきました。
“適切なタイミング”で、面談サポートやマニュアル提供を行い、
- プロダクトを使いこなしてもらう
- 高いROIを得てもらう
- 発見や成果を喜んでもらう
上記をカスタマーサクセスの役割だと理解をしています。
更に、管理システムの中心にカスタマーサクセス部門によるリアルタイムな顧客データとインサイトがあることで、APOLLO11社においては「財務を含めた経営判断の中心となる部署」となっています。
リリースに至るまで
今回は、まず開発者のアイディアとプロトタイプありきでプロジェクトはスタートしました。
「競合と同程度の機能を持たせるが価格は安く」という程度のものが最初の作戦でしたが、議論を重ねる中で、会社の理念に沿ったプロダクトにする為に「Webサイトを育てる」「選択肢と優先度を提示することで、アプリケーションが(情報洪水に溺れている)顧客にアドバイスをする」というコンセプトを足しました。
コンセプトを足したことで、オリジナル機能の作り込みが始まりました。これが結構大変で(お前が言うなと突っ込まれそうですが。開発チームの皆ありがとう)ディテールの調整やデバッグで心が折れそうになりました。
更にこだわろうと思えばいくらでもこだわれる為、リリースもしておらず、顧客接点もないのに、あれやこれやと妄想だけで機能開発を進めたくなったりもしました。
「7割までこぎつけたらβ版としてリリースしちゃって、得意のカスタマーサクセス業務で顧客ニーズをヒアリングして、プロダクトをアップデートする」という結論に至り、実際に風呂敷をまとめる過程に入るまでに多くの時間を要しています。
実際に今回かなり最低限の機能だけで、リリースにこぎつけました。
プロダクト開発の要諦
- 誰にとって、何を解決するツールなのかを定め
- その目的に応じて機能を開発し
- 競合の製品よりも優れたものにする
ことが重要です。しかしそれだけでは、SaaSプロダクト開発の要諦とは言えません。
- 継続的なインサイトを与えてくれる
- 継続的にアドバイスをくれる
- 継続的に業務を効率化したり代行してくれる
上記3点のいずれかをアプリが搭載していることが重要です。そうでなければ、継続的なキャッシュポイントは発生しません。
SaaSの要諦はカスタマーサクセスであることに間違いはない(ただし…)
アプリが上記3つの要素を搭載していなくても、カスタマーサクセスが「継続的にアドバイスをくれる」場合、SaaSが事業として成立していることを他社の事例でいくつか発見しました。
これはこれで興味深いものでしたが、人的な部分なので、レバレッジは効きません。SaaSである以上基本的には、アプリやソフトウェアのパフォーマンスが高いことがやはり重要なのです。
まとめとご案内
今回ikuseoのβ版を、実際にユーザーとして使用した感想は「とても便利だ」というものです。その反面、現状の機能だけでは、アプリ側で継続性に関わる3つの要素を満たしているとは言い難いと思っています。アプリのバージョンアップを進めつつも、まずは、カスタマーサクセスに力を入れることで、継続的なアドバイスについては担保して参ります。
同時に、Ver2.0,3.0に向けてのロードマップを作り、開発を開始しています。現時点でモニターになってくれた人には、永続的な割引クーポンを発行します。また、ヒアリングさせてもらった「欲しい機能」を一緒に作っていければと思いますので、興味がある方は是非お問い合わせください。