ジェントル然なあの時のあれはそういえば…
新幹線の移動中車内でコーヒーを飲むのは僕にとって楽しみの一つだ。
ある日コーヒーを注文すると、売り子さんに「よく新幹線はお使いになりますか?でしたら4枚綴りのチケットがお得ですよ」と勧められる。
その日はグリーン車に乗っていた。若い子に見栄を張りたいという思いと「何だかんだ使うよね」という思いで、4枚綴り千円のチケットを購入。コーヒーをもらい、チケットの1枚目を切ってもらった。ジェントル然として会釈をすると、売り子はまた次の車両へ消えていった。
チケットがかさばるので財布から一度出した。オフィスか家のどこかにあるのだろうが、新幹線に乗る度に「しまった」と思う。このまま忘れ去ってしまえれば「しまった」と思うこともないのだろうが、そうなると「一応ドリップコーヒーです!」だけが取り柄の、大して美味しくもない1杯1,000円のコーヒーを買っただけになってしまう。
僕はサンクコストに囚われているのだろうか。
転んでもタダでは起きない!置き換えて学んでみた
この出来事は、サブスクサービスの年間契約に似ていると思った。
最近LTVの研究をしている。チャーン率によってROIが大きく変わることも理解した。
※詳しくは以下リンクご参照。
https://apollo11.co.jp/data-driven-marketing/churn/
1つわかったことがある。
それまで、サブスクサービスを年間契約すると安くなる理由について、キャッシュフロー上のメリットがあるからだと思っていた。「一括で前金で貰えるならディスカウントしますよ」という具合だ。確かにこの側面もあるとは思うが、最も重要なのは「年間プランの方がチャーン率が低い」からだと思う。
詳しいデータは出せないが、mouseflowも月間プランと年間プランではチャーン率に雲泥の差がある。
- 年間プランの契約数が多ければ顧客単価は25%程下がる
- チャーン率が二分の一になればLTVは2倍になる
※年間プランのチャーン率は月間プランの二分の一以下であるケースが多い
つまりこのトレードオフで言うと財務上は後者のメリットが圧倒的に大きいということだ。
気付きの機会になるのであれば、1,000円のコーヒーも悪くない。