「スマホ脳」まとめ
スマホ漬けの現代人に何が起きているのかを詳しく書いている書籍。
人間の脳がハックされている
スマホがないと落ち着かない
人類の歴史の中で、99.9%は狩猟採集を行っているわけで、私達の生活様式は一変したけれど、脳は原始時代のままである。原始の脳は生存率・生殖率を上げることを至上命題としていて、
- 危険を察知する
- 危険を察知した後に、集中して行動する
ことを能力として高めてきた。
人類の脳は新しいものが大好きで、それは新しい情報を得ることで危険を察知することが出来るからだ。面白い実験がある。記事のタイトルを見てリンクする瞬間と、本文を読む時、ドーパミンの分泌量は「記事のタイトルを見てリンクする瞬間」の方が多い。同様にラインの着信音が鳴った時に、ドーパミン分泌が最大化されている。メッセージを読んでいるときではない。
ドーパミンは快楽物質と勘違いされることがあるが、それはエンドルフィンの方で、ドーパミンは人間の集中力を高めてくれる。つまり「危険を察知した。集中せよ」という脳からの司令なわけだ。
スマホは一般に1日に300回以上このドーパミンを分泌させてくれると言われており、ある種私達は中毒なのだ。問題なのは、ラインに関してドーパミンが出ている時は、その集中力が他の仕事に使えないということだ。いくつかの実験によると、サイレントモードにしていても現代人はスマホが脇にあるだけで、集中力が下がってしまうのだ。
集団に取り残されるのが怖い。噂話をやめられない
人間の集団は噂話が好きだ。噂話を知っているかどうかで、集団内で生き残れるかどうかが変わってきたからだ。噂を知っていれば、危ない個体と関わることも避けられる。
また多くの人が人前で話す時緊張してしますが、それは「集団から爪弾きにされるリスクを避けたい」から過度に「相手にどう見られているか」が気になるらしい。
現代人はこの性質をSNSによってハックされてしまっている。特にティーンエージャーの女子は、SNSへの依存が強いそうだ。
何が問題かを平たく言うと
- 集中力がなくなってバカになる
- 精神疾患のリスクが上がる
ということだ。
どちらの原因にもなっているのは、睡眠時間の減少だ。ここ10年で人類の平均睡眠時間は1時間ほど減少したらしい。夜間にスマホのブルーライトを浴びることで、睡眠不調が出てしまうのだ。
精神疾患については、睡眠不足に加えて、SNS依存により、人と比べることで幸福が感じにくいことなども指摘されている。そもそもスクリーン依存することで、運動時間が減っており、原始脳を持つ人類にとって、この運動不足という状態が非常によろしくないそうだ。
筆者が提唱している解決策
運動する
どんな運動でもいいそうだ。1週間に2時間程度でも大きな効果が見込める。
スマホとの接触を減らす
- 目覚まし時計など、置き換えられるものは、スマホ以外で対応
- プッシュ通知は切る
- 集中したい時は、側にスマホを置かない
- 人と会っている時はテーブルの上にスマホを置かない
- メールやチャットを過度に見ない
- スマホを寝室におかない
- 寝る前にメールやチャットを見ない
などだ。
自分でも思い当たる節がありすぎて、これを気にスマホを辞めてみようかと思っている。