カスタマーサクセスの講演について簡単にまとめる


アップセルとクロスセルを事例から学ぶ

この記事を書いている最中に、SanSanのカスタマーサクセスが凄そうだということで、書籍を購入。ついでに講演動画もあったので、以下見てみたが、これが凄かった。まだ書籍は到着しておらず、この記事は動画のまとめ。

【Sansan DX Department Tour / The 5th】カオスを乗り越えるデータドリブンのカスタマーサクセス

【ポイント1】顧客を従業員規模別に分ける

従業員数 サポート方針
50名未満 テクノロジーで半自動化
50〜999名 グループでサポート
1000 定例ミーティングを実行

集客規模別に、対応方針を分ける。1000名以上の規模については売上も大きいので、定例MTGを実施して手厚くサポート。50名未満の組織については、なるだけ人の手を介さずに、テクノロジーで半自動化。

【ポイント2】簡単に即座に顧客データを取り出せる

下図:新規顧客と既存顧客それぞれで取得出来るデータの違い

  新規顧客  既存顧客 
リードデータ 
セミナーデータ
プロパティデータ
受注までのヒアリングシート
自社イベントの参加状況 ×
トレーニングセミナーへの参加状況 ×
組織構造(決済フロー)  ×
サポートへの問合せ内容  ×
NPSの集計値  ×
プロダクトの利用率  ×

既存顧客の方が圧倒的にデータが取れることを強調。更に「即座に簡単にデータが取り出せる」ことの重要性を訴求していた。SanSanの場合は、様々な情報を統合するソフトウェアを利用していた。現在の状態になるまでに3年を要したことにも言及。

【ポイント3】顧客の利用データごとにヘルススコアを算定

  • 極めて良好
  • 概ね健全
  • 注意が必要
  • 対応が必要

SanSanの解約率は低い。このスコアがどうして重要かと言えば、

  • ヘルススコアが赤・オレンジ系であれば、50%がその後解約に至っている
  • ヘルススコアが緑系であれば、70%がその後アップセル・クロスセルに繋がっている

上記の理由による。

ヘルススコアの算定にはDEARを利用

Deployment、Engagement、Adoption、ROIの頭文字。

  • Deployment…プロダクトを利用する上で、理想的な環境か
  • Engagement…顧客との関係性が良好か(決済者との関係は良好か?そもそも決済者が誰かわかっているか?)
  • Adoption…顧客のプロダクト利用状況が良好か
  • ROI…費用対効果を顧客に与えられているか

以下の様にSanSanが使っている指標も具体的に紹介してくれた。

Deployment

  • id付与率
  • ログイン済み率
  • スキャン済み率
  • オンライン名刺設定率
  • 名刺枚数 / ID

Engagement 

  • Direct touch…担当者と連絡が取れる状態か
  • Key person touch…決済者と連絡が取れる状態か

※エンゲージメントについては、動画の中で詳細まで触れていなかったので私の推測になる。SaaSだとオンラインで申し込んで利用してもらうことが可能なので、意外と取引をしていても担当者のことを知らなかったりする。

Adoption

  • Wauホーム…1週間のうちサービスを利用した回数
  • Wauスマホ…1週間のうちスマホでサービスを利用した回数
  • Wau名刺取り込み…1週間のう名刺を取り込んだ回数
  • スキャナ稼働率…不明だが(Wauホーム / Wau名刺取り込み)と推測
  • 名刺枠消化率…プランの上限に対しての消化率

※こちらも筆者推測。Wauはウィークリーアクティブユーザーの略。

ROI

  • SuccessPlan
  • Infrastructure

※この辺は推測不可。顧客がこのサービスによって利益を得たかどうかの指標であることは間違いない。

【ポイント4】CTAを起点にカスタマーサクセスが動く

CTA…Call to actionの略で、ランディングページなどでは、よくコンテンツ途中にあるお問い合わせボタンのことを指す。ここで使われているのは本来の意味で「アクションのきっかけとなるサイン」という意味だ。

ユーザーの契約データや利用データについて

  • 短期間に特定の機能に高頻度でタッチ
  • 特定のデータ使用量が規定の80%に達する
  • ヘルススコアの著しい向上
  • トライアルへの申込み

などの変化があった際に、カスタマーサクセスチームに通知が飛ぶ。

サポートスタッフやインサイドセールスが特定のプレイブックに応じて対応するという一連の流れはCTAを起点に発生する。

CTAの例として以下の様に、攻め・守りの観点でいくつか事例を紹介してくれている。

攻めのCTA=アップセルやクロスセルのチャンス

  • 年間の名刺消化枠が80%に達したらインサイドセールスに通知
  • SansanIDの追加が行われたらインサイドセールスに通知
  • 共有IDでSansanを利用している兆候を見つけたら、営業に通知

守りのCTA=チャーン率を下げるチャンス

  • 契約更新の3-6ヶ月間になっても、名刺のデータ化消化が40%未満の場合、インサイドセールスに通知
  • 営業/CSがSansanの推進室や管理者と認定したユーザーの先月のSansanMAUが0%の場合、インサイドセールスに通知

SanSanにおいて、アップセルやクロスセルの15%はCTAをきっかけに発生している。

まとめ

DXのお手本の様なカスタマーサクセス部門。この内容を参考に、弊社のカスタマーサクセスも向上させよう。※あと、カスタマーサクセスチームはスタッフ随時募集中です。

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