ベンチャー企業経営者にとって、仕事の優先度について考えてみる


あくまでベンチャー企業経営者としての優先度であること、自身の(APOLLO11の)投資概念や性格を考慮したものが含まれているので一般的な内容にならないことは断っておく。

仕事を始めてからこれまでどう優先順位をつけるか?という点について散々悩んできた。

自分で言うのも何だが、タスクの管理能力はそれなりに高い方だ。それでも悩みはつきない。

重要さと緊急さのやつ

  • 重要で緊急
  • 重要だが緊急でない
  • 重要でないが緊急
  • 重要でなく緊急でもない

こういうのが有名だと思うが、自分には中々フィットしなかった。

“重要だが緊急でない”のリストは一向に終わらないし、”重要でないが緊急”という概念は一見理解できるが、いざタスクを棚下ろすと”重要でないが緊急”なんて仕事は存在するのか?と疑問に感じることもあった。

経営的な視点のもの

タスクリストに研究をした学者によると、ほとんどのビジネスマンはタスクリストのうち70%は未消化のままだそうだ。そのことを踏まえて開発されたタスクリストが以下となる。

  • ネガ・・・ネガティブなことほどとっとと終わらせた方が良い
  • 他者・・・自身がボトルネックにならない
  • 即座・・・すぐ終わることはさっさとやる
  • 業績・・・P/LやB/Sにヒットすること
  • 価値・・・主に簿外資産を作る活動(標準化なども)
  • 成長・・・自身が成長すること
  • MoonShot・・・会社をMoonShotさせる為の活動
  • 付帯・・・その他

優先度としては上から順になるという形式で、ここ2年はこの方式でやってきた。

最近はこの中で、業績・価値に関するリストが多くなってきて、その中での優先度付に悩むようになった。

その為今回新たに、”ベンチャー企業の経営者にとって”という制約条件を設けて優先度の付け方を考えてみる。

ベンチャー企業において優先すべきこと

理念・行動規範・会社概要

弊社はデータドリブンマーケティングを推奨し、ツールを提供している。

その目的はBitの発見にあると言っても過言ではない。

Bitとは例えば「1万円投資すると2万円儲かることがわかっている状態・仕組み」のことで、このBitを見つけた企業は一気に成長し、5年くらいで上場に漕ぎ着けたりする。

この観点で考えると、ベンチャー企業の経営者にとって優先すべきことは

  • Bitを発見すること
  • その為に実験をすること
  • 発見したBitをスケールさせること

になる。

APOLLO11はたくさんの実験をなるだけコストを掛けずに行うことを推奨している。

資金力が豊かであれば一個一個の実験にコストを掛けてもいいのかもしれないが、上手くいくかどうかわからないことにお金を張るのはギャンブルだと思うから、私達はやらない。

 

話は戻る。優先度である。

発見したBitをスケールさせることが最優先であることは間違いない。

次に優先すべきは実験することだが、どういう実験を行うべきかということを考えてみる。

以下のマトリクスを参照頂きたい。

弊社の考え方で高コストの実験は除外している。更に「成果予測」を条件に加えたマトリクスが以下。

  • (1)Bitスケール・・・Bitをスケールさせることで最優先
  • (2)即実験・・・成果予測が高く、すぐに低コストで実施できる
  • (3)実験対象・・・時間がかかるが重要なこと(競合優位性になりうるポイント)
  • (4)Mapping・・・マーケティングとはそもそも「市場の地図を作るために、わからないことを減らす活動」であるから、即座にできることであれば地図づくりの為に実験する

という順番で優先度を試してみることにする。

(2)と(4)はパパっと指示を出してしまえば済むのであるが、(3)に関して経営者としての時間の使い方はまだ悩んでいる。

例えば(1)に関して、スケールさせるにあたって標準化系の仕事には自身の時間を使おうと思っている。ただしスケールに伴う実務は任せると言った具合だ。

(3)は正直モノによるので、いつも時間を使うかどうかかなり迷う。自分が時間を使えば上手くいくとも限らないのだが、納得できる実験にしたいとも思って、ついつい手を掛けてしまう。

…ただし、究極的には何もやらないということが事業承継とかの観点からも正しいと思うので(3)であろうと(1)であろうと最終的には手を離すことを肝に銘じる。

そして、優先度問題はこれからも引き続き考えていくことにする。