コペンハーゲンからケルンでの日記


Day1:手首を包帯でグルグルに巻いて、名古屋から羽田空港まで運転

前週に子どもと遊んでいたら、転んで手首を負傷してしまう。中々の痛みで、痛み止めを飲みながら手首はガチガチに固定した状態で過ごしていた。荷物のパッキングを負えて、さぁタクシーで名古屋駅へと思い、路線検索をしたら、何と大雨で新幹線が止まっていた。

これはまずいと思いながら、運転すればもしかしたら間に合うかもと、カングーの代車として借りているフリード(苦楽を共にした仲間として、Buddyと呼んでいる)で東京へラッシュ。

途中ゲリラ豪雨に見舞われるも何とか間に合う。以外と冷静であり「とにかく今自分ができることに集中しよう」とビジネスマンの鑑のようであった。

さて、金曜日の深夜にも関わらずイミグレを抜けた先は人でごった返していた。シルバーウィークというのもあったろうが、フードコートはどのお店も行列。カードラウンジ(PriorityPathラウンジ)も大行列といった有様だった。

今回は羽田からドバイでのトランジットを挟みコペンハーゲンへ向かう。コロナとウクライナ戦争と円安のトリプルパンチで、直行便は少ない上に高すぎるからだ。トランジット込で20時間。来年はどうするか真剣に考えた方が良さそうだ。

やっとこ機内に乗り込む。3人掛けシートの通路側に陣取った私の隣にはスイス人の女性と、ドイツ人の大柄な黒人男性が乗っていた。体格の兼ね合いで、エコノミーはそろそろキツイかもしれない。8時間くらいぐっすり寝た。

機内食の際に、自分以外の2人が盛り上がっていた。日本の観光やグルメについて語り合っていたが、ちょっと聞き取れない箇所が多かったのと、自分が好んで入れそうなものがなく、会話Join断念。疎外感を感じる。まぁいい。とにかく今自分ができることをしようと、スター・ウォーズシリーズのローグワンに集中する。

その後トランジットを挟み、ドバイからコペンハーゲンへ。トランジット中なんだかんだマクドナルドに行ってしまう。空港のWi-Fiもあったが、楽天モバイルのローミングが活躍してくれた(今回始めてプリペイドシムを買わずに10日間過ごせた)。

エミレーツは機内Wi-Fiが有料で利用可能だった。長時間フライトにはありがたい。しばしChat-GPTと戯れる。あと途中だったローグワンを見終わる。

Day2:初コペンハーゲン。Eye Opener

空港に到着。約1時間後にマラガから到着するJessと落ち合う予定である。しばし、空港内を散策した。まず目を引いたのが、出迎えの熱烈さだ。父親の帰りを、妻や子どもがプラカードや花束を持って待っている。ゲートに父親の姿を見つけた後は、映画のワンシーンの様に子どもたちは抱き抱えられ、妻と夫は熱い抱擁を交わしていた。デンマークにはセブンイレブンが進出しているようで、空港にも店舗があったが、軒先に花束が売っていた。「こういう文化っていいよね」と思う。

Jessと合流する、熱い抱擁とはいかないが、久しぶりと軽くハグをして、ホテルまで送ってもらった。どうやらマラガには仕事ではなく、24時間耐久レースの練習で訪れていたらしい。アドレナリンが出ると、2時間の走行がまるで20分に感じられるそうな。

車内でJessはベンチャーキャピタリストとしてのキャリアや、起業家としてのキャリアについて話をしてくれた。1つだけ成功の秘訣を教えて欲しいと伝えると「所詮一人でできることなとたかが知れているから、適切な人がJoinしてくれることかな。その瞬間会社は変わる」と答えてくれた。元々親友であった、Mikkelもmouseflow社にとってまさに適切なCEOだったと伝えてくれた。

上場したい旨や、ローカル(日本)マーケティングで戦う上でのプライシングの話など色々相談させてもらったし「えっ、そうなんだ」というEyeOpenerもたくさんあった。

その後ラスキルドにある自宅に案内してもらい、軽いホームパーティーでもてなしてもらった。ラスキルドはコペンハーゲンから車で30分くらいの場所にある、山や港や世界遺産になっている教会のある街だ(ちなみにコペンハーゲンから22kmの距離にスウェーデンのマルメはあり、無茶苦茶近い。同じく30分くらい)。

Jess邸は、世界遺産から徒歩5分圏内でなんとも素敵な家だった。奥さんのニーナと息子のキャスパーと従兄弟にミッケルも合流して、デンマーク料理をふるまってもらう。ワインも美味しくジェットラグもなんのその。

ミッケルにもグロースの秘訣を聞いてみると「ファイナンスのバランスはもちろんあるけど、投資しなきゃはじまんないよね」というシンプルな回答をくれた。「会社を伸ばしたいんだ。色々教えて欲しい」とお願いすると「いいよ。Steel with prideだね」と言ってくれた。誇りを持ってパクらせてもらおう。

ところで、デンマークの交通事情は面白い。取り締まりは基本カメラで、3回の違反で免許失効。制限速度100kmオーバーで車没収(寄付)らしい。「ルールを知ることは大事だよね」とはJess。

Day3:子どもと倫理

時差のせいなのか、逆に無茶苦茶寝てしまった。朝ごはんを食べて二度寝したら、13時になっていた。軽くPCに目を通した後、街ブラを敢行する。

とりあえずお腹が空いた。出来たばっかりだというIKEAに入ってみるが、せっかくコペンハーゲンなんだしと、ショッピングモールへ。色々お店をみたが結局食指が伸びたのはまたもや”ケバブ”。くそっ。これじゃあ1年前と同じだ。

ドイツ紀行_老いるとはどういうことか?

ケバブを食べた後(美味しかった)街を散策する。GoogleMapがあまりに便利で驚いた。ガイドブックなんかいらないんじゃない?というレベル。

コペンハーゲンは港町だが、桟橋で人々が日光浴をしている光景は少々驚いた。日中はTシャツで過ごせるこの日は、水着姿の男女にとって格好の日光浴日和であった。

ラウンドタワーという古い建物の頂上展望台で、2歳くらいの小さな子どもが、大暴れ(可愛らしい感じで)していた。それを見て私は笑顔になるし、周りのビジャブを被ったおばあさんも、いないいないばをしたりして、非常に和やかな雰囲気。

身近に子どもが多いコミュニティは平和だなと思った。それは「子どもの目」が私達を倫理的にしてくれるからだ。子どもの前では大抵の人は「よりよい人」であろうとする。

人魚姫のモニュメントからタクシーでホテルに帰り、夕食は寿司レストランに連れて行ってもらった。美味かった。

ちなみに、物価は日本人の感覚からすると、とても高い。私は「若い人にこそ、海外に出て、色々なものを見聞きして欲しい」と思っているが、この状況だとヨーロッパへの旅行自体が”高級品”だなと思った。自分が関わる人のそうした問題は解決したいと思うが、物価や円安は基本的に経済政策の話なので、政府に委託するしかないし、投票することしかできない。

Day4:アウトバーンで220km

午前中は、mouseflow社のオフィスで、色々打ち合わせをさせてもらった。特に営業戦略についてはかなり参考にさせてもらえそう。営業マンを育てる仕組みが凄くちゃんとしていたし、Call->Action->Feedbackがきちんと回っていた。

その後Jessがマンズケイブと呼んでいるガレージを訪れる。正直バットマンの秘密基地みたいで痺れた。

レンジローバーでフェラーリを牽引し、国境を超えてからフェラーリでアウトバーンを疾走。ヤバい。早い。900kmのジェット機内なら眠れるが、220kmのフェラーリではとても眠れる気がしなかった。明らかに体は新しい刺激を覚えていた。

子どもとの向き合い方、仕事の話などを爆速の中行い、その日はハンブルグのホテルで一泊する。

Day5:”目”の話再び。モナリザ

DMEXCOの会場入りし、1年ぶりに何人かのスタッフと会う。初めましてのカスタマーサクセスマネージャーがアン・ハサウェイに雰囲気がそっくりで、少々面食らってしまったが、こちとら侍の国からやってきたわけで、鼻の下を伸ばすわけにはいかない(鏡で確認したわけでもなく、その真偽は不明である)。

ちなみに、日本で生まれて日本で育ったにも関わらず、白人に対する美意識とは一体どこから来ているのだろうか。クリっとした目にちょっとコンプレックスを感じたりする。遺伝子なのか、はたまたメディアや教育の影響なのか。

ヨーロッパの物価高を受けて、まぁまぁの値段のホテル(相対的には安い)を取ったはずが、狭い部屋の中にあるベットは、たくさんのモナリザの絵に取り囲まれていた。子どもの目は私達を倫理的にするが、この目は私を不安にさせた。

ホテルスタッフに部屋を変えてくれと懇願するも、満室で無理とのこと。

辛いので、部屋を出て一人夕食へ。気持ちいつもよりたくさんのドイツビールを飲み、壁を見ないように就寝。

が、古いエアコンのせいで、夜中にポルターガイストの様な振動で目を覚ます。また、繁華街にあるため、若者の叫び声を間近に聞きながら、長い夜を過ごすことに。

Day6:どうせやるならマジでやる。そうすると大抵のことは楽しい

とは、ある研修で学んだことで、この日は展示会のお手伝い1日目だった。日本のリセラーという立ち位置上、何をすべきか迷うところではあったが、全力でお手伝いすることにした。

具体的には、展示会様にレンタルしてある、パックマンの説明を行い、参加者のバーコードをスキャンしまくった。2日合わせて70人以上スキャンしている。どうせやるならマジでやるのだ。その方が大抵のことは楽しい。

パックマンガイとしてどっと疲れたその日は、mouseflowチームと一緒に夕食へ。ドイツ料理とビールっていいよね

鉄板のMRIネタや、白紙のメニュー凝視ボケを試みるも大してウケず。

この日はいくつかの“ブレイクスルー”があった。その内の一つが、英文が急にスラスラ読めるようになったことだ。もちろんわからない単語はたくさんあるが、Yahoo.comのニュースなどあまり抵抗なく読めていた。思い起こしてみれば今回ヨーロッパに来てから、聞き取れなかった内容を推測で補うやり方をしておらず、大体聞き取れていたことに気がついた。

It’s never too lateなのだ。30歳を超えてからも英語は伸びる。浴びた英語の量が臨界点みたいなものを超えたんだろうと思った。

Day7:マリオット最高

前日からホテルを変更した。マリオットは最高だ。ぐっすり9時間以上寝ることができた。金輪際モナリザに囲まれるのはごめんだ。ほぼ1日ホテルの部屋で仕事を行い、夕方出かけるも観光地はほぼClesedしており、食事を取って帰る。

Day8:滞在最終日。久々の一人旅

午前中に仕事を片付けて、食事を取り、お土産を買いに出かける。ガレリアとローカルなお土産屋で諸々購入。一旦ホテルに戻り、ハーバーの方へ。ビールを飲みながら、ある仕事の構造設計に思いを馳せる。何かいい感じだ。

気分がよくなったので、港で歌を歌った。これが一体周囲の人にとってどのように映っていたのかは不明だが、まぁ良い。旅の恥はなんとやらだ。

お気に入りのレストランでシュニッツェルとミートボールとビールを頂く。

途中ちょっとした人種差別を味わうも気にしてもしょうがない。ニールスが教えてくれた、バーで音楽を楽しみながら、ビールに暮れる。

Day9:Rush Rush Rush

朝から慌ただしかった。ギリギリ電車に乗り込み、何とかフランクフルト空港へ。ドバイ-東京間だけ、何故かエミレーツのWi-Fiが使えないことが発覚して、大慌てで各所に連絡。到着後もRush Rushといった具合だ。

機内で、席を変えて欲しいというオファーをもらい、代替の座席も見て最終的にNoと言ってしまった。詳細は伏せるが人種差別的な体験によって、結構オーバーリアクトしちゃってるなと思った。こういう問題は頭で理解するのと実際に体験するのでは、随分違うなと思った。

Day10:Tokio to Nagoya

かくして、成田空港到着後、羽田空港で移動し、車をピックアップして名古屋まで帰ってきた。時差で寝れないので、この日記で出来事を振り返っている。非常に学びの多い旅であった。